絵を描く時や洋服の色合わせなど、色は生活に欠かせません。
センスの良し悪しにも色が大きく関わります。
色選びや配色に頭を悩ませる方も多いと思います。
色彩の勉強を始めると、色の世界は奥が深く、ややこしい部分もたくさんあります。
ここでは、色とトーンについて、できるだけ簡単にまとめています。
色とは何か
色とは、簡単に分かりやすくいうと、物体がそれぞれ持つ特徴(つるつるしている、ザラザラしている、透明、不透明など)と光の当たり方によって、認識できる感覚です。
物に当たった光が、「反射」「吸収」「透過」する時の光の波長の違いで、私たちの目にはいろいろな色が見えます。
私たちは、物に当たった光を目で見て、脳で色を認識しています。
人が見ることのできる色数は、個人差がありますが、750万〜1000万色とも言われています。
赤色と緑色の区別がつきにくいなどの、色覚特性を持つ方も多くいます。
色の特徴(属性)
色はその特徴で、いろいろなグループに分けられます。
色には、グループに分ける時に必要な「色の三属性」と呼ばれる、三つの大きな特徴があります。
●色相…赤、青、黃などの色あいのこと
●明度…明るい色、暗い色など明るさの違いのこと
●彩度…色に混ざった白、黒の分量で変わる、色の鮮やかさのこと
色のグループ分け
色の三属性を踏まえて、色のグループ分けをまとめていきたいと思います。
細かく分けると、いろいろな団体や人が作ったものや、使用する分野によっても違いがありますが、一般的な考え方をまとめています。
『色』のグループ分け
「無彩色」と「有彩色」
まず、色は、大きく2つに分けられます。
●無彩色…白、黒、灰色の色みを感じない色
●有彩色…白、黒、灰色以外の色みを感じる色
色みとは、「色の三属性」の色相のことです。
白、黒、灰色に少しでも何か色が入っていて、色みを感じる色は、有彩色になります。
『色相』でのグループ分け
有彩色の中の「赤」「青」「黃」などの色合いで、グループに分けられます。
一般的なものでは、PCCS(日本色研配色体系)…日本色研事業株式会社のカラーシステムの24色に分けられた24色相環があります。
『明度』でのグループ分け
色を明度で分けると3つに分けられます。
●高明度…白とライトグレイ程度の明るさ
●中明度…中間のグレイ程度の明るさ
●低明度…黒とダークグレイ程度の明るさ
『彩度』でのグループ分け
色を彩度で分けると3つに分けられます。
白と黒の分量で色の鮮やかさが変わってきます。
●高彩度…白や黒の分量が少なく、鮮やかさが高い色
*純色…白や黒が混じっていない、一番鮮やかな色
●中彩度…白や黒の分量が中くらいの鮮やかさの色
●低彩度…白や黒の分量が多く、鮮やかさが低い色
その他
「暖色」「寒色」「中間色」
色は、人が感じる感覚やイメージでも分けられます。
●暖色…暖かさを感じる色
赤、橙(オレンジ)、黄 など
…太陽や炎をイメージする色
●寒色…冷たさを感じる色
青緑、青 など
…水や空をイメージする色
●中間色…暖かさや冷たさを感じない色
黄緑、緑、青紫、紫、赤紫 など
…葉や花などをイメージする色
「明清色」「中間色(濁色)」「暗青色」
色は濁り具合で、3つのグループに分けられます。
●明清色…白の分量で分けられる。明度が高く、濁りの少ない色
●中間色(濁色)…グレイが混じった濁りのある色
●暗青色…黒の分量で分けられる。明度が低く、濁りの少ない色
「イエベ」「ブルベ」
他にも、自分に似合う色を診断する、パーソナルカラーやファッション、コスメなどでは、色は大きく、2つに分けられる時もあります。
「イエベ」「ブルベ」などはよく耳にします。
●イエローアンダートーン(イエローベース)…
黃みを感じる色のグループ…あたたかく感じる色
●ブルーアンダートーン(ブルーベース)…
青みを感じる色のグループ…つめたく感じる色
『トーン』とは?
配色をする時に、「色のトーンをそろえると統一感が出る」や「同じトーンのグループ」などとよく聞きます。
「トーン」とは簡単にいうと、色調のことです。
●トーン…色の明度と彩度の組み合わせで分けられる。
色とトーンの考え方
まとめたように、色は三属性やトーンによって細かくグループ分けをされています。
先程の、PCCSが一般的です。
PCSSでは、有彩色のグループが12個に分けられ、それぞれに分かりやすい名前がついています。
ここでは、グループ分けの考え方を簡単にまとめています。
■画像は、横の1列が同じトーンのグループです。
つまり、色のグループ分けは、「純色」に混ざった「白」「黒」の分量で決まります。
「白」「黒」の分量が同じグループが同じトーンのグループということになります。
●「白」が多く入るほど、「明度が高く(明るく)」「彩度の低い」色になります。
●「黒」が多く入るほど、「明度が低く(暗く)」「彩度の低い」色になります。
●「灰色」が入ると濁った色になります。
まとめ
絵を描くときなどに、統一感を出したい場合は、絵の具に混ぜる「白」「黒」の量を同じくらいにするか、もしくは同じくらいの濁りや明るさの色を選ぶとトーンが揃い、配色がしやすくなります。
洋服や化粧品を選ぶ時にも何となく「イエロー」を感じる色、「ブルー」を感じる色で分けると、色が喧嘩をせずにしっくりきたり、合わせやすくなります。
★「イエローベース」「ブルーベース」
★「白」「黒」「グレー」の混ざり具合
★「明るさ」「鮮やかさ」「濁り具合」
など、少し意識をしておくだけでも、色選びで、トーンをそろえる時の参考になるかと思います。
こちらもぜひご覧ください。
アーリー フィンチ■絵と配色とデザインと■
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