色には力があります。
色は、それぞれが持つその色のイメージによって、人の心や体にいろいろ作用します。
カラーセラピーは、それぞれの色の力を生活にうまく取り入れて、心や体に良い効果をもたらそうとする色彩療法です。
「色彩療法」などと書くと、なんだかたいそうな気もしますが、気軽で簡単なものです。
好きな人や物を見ると、テンションが上り嬉しくなるという経験はあると思います。
色を見て心に作用するのもその延長線上にあるのではないかと思います。
1つの色が、すべての人に同じ効果があるわけではありませんが、健康法にちょい足しのような感覚で色を上手に取り入れたいものです。
実際、いろいろな色を見る画家は、長寿だとも言われています。
色を見ているという理由だけではないと思いますが、ピカソは91歳、シャガールは97歳など、80代、90代以上の長生きの方が多くいます。
私も絵を描きますが、やはり、好きな色を使うことが多いです。
この好きな色を使うということが、心を上げるという意味もあるのではないかなといつも思います。
心が幸せになる色とは
心が幸せになる色、幸福感が増す色と言われているのはピンク色です。
今の時代、いろいろなものが女性的、男性的などと言われなくなってきましたが、やはりピンク色といえば女性的や可愛らしいというイメージがあります。
イメージというものは、経験などからぱっと頭に浮かぶものなので、そのイメージが心に働きます。
人は、ピンク色の服を着ている人を見ると、意識せず、守ってあげたいという気持ちが湧くのです。
例えば、合コンなどでは、黒い服を着ている人よりピンク色を着ている人のほうが、優しそうなイメージが湧き、話しかけられやすくなります。
もちろん、自分が身につけることで、心も穏やかになり、幸せな気持ちが湧きやすくなります。
そして、ピンク色を見ると、女性ホルモンの分泌を促し、肌などにも良い効果があると言われています。
どういうイメージを持たれたいかを考える
どんなものにもいろいろな面があるように、色も状況によっては、マイナスに働く場合もあります。
ピンクは人を穏やかにする色で、女性らしさをアピールできる色ですが、ロマンチックで甘いイメージであることから、マイナスイメージとまではいかないまでも、幼さを感じさせたり、地に足がついていない、ふわふわした人と思われる場合があります。
一般的なイメージですので、自分ではそういうつもりがなくても、状況により、幼稚や優柔不断といったイメージを持たれたくない場合は、避けたほうが無難です。
また、イメージが先行しすぎて、自分の中身とのギャップで違和感になることもあります。
私は、ピンクは女性らしくない自分の性格には合っていないと感じて、得意な色ではありませんでした。
ある時、自分を変えたくて、普段だと絶対に手に取らない、きれいなピンクの長財布を思い切って買ってみました。
しばらくは持っていましたが、やはり、なんとなくの違和感がずっとあり、結局、使うのをやめてしまいました。
なぜか、きれいな色を身につけるのは、気後れしてしまいます。
ただ、使うたびピンク色が目に入るので、キラキラした女性っぽさが意識できていた気はします。
洋服や小物で色を取り入れるのは、とても簡単ですし、私のように合わなければ、やめればいいだけです。
アドバイスなどなくても、好きな色は選んでいると思いますので、色の効果を知って、その色を取り入れるという方法もぜひお試しください。
色のイメージは強い
さて、日本でピンクといえば、やはり、桜の花を思い浮かべる方も多いと思います。
桜の絵を描くと、ほとんどの方はピンク色に塗ると思います。
ただ、意識してみると、実は、桜は思っているよりずっと白っぽい花です。
写真に撮ってみると、思ったほどきれいに撮れないと思ったことはないでしょうか。
私は、桜を撮った画像を見返すと、写真がうまくないということもあると思いますが、色が抜けているような気がしてしまいます。
これは、「記憶色」と呼ばれ、実際よりも「そのもの」をイメージする色で記憶されているからです。
また、「色記憶」と呼ばれる感覚もあります。
これは、見た物をあとで思い出したときに、実際の色よりもよりあざやかな色で思い出されることです。
こうしてみると、色とは目で見て感じるものですが、イメージにもとても左右されるものだということが分かります。
このイメージするということは、心に影響を与えます。
前向きな考え方で気持ちが前向きになったり、楽天的な考えで心が軽くなるように、
色を見たり、思い描くことで、穏やかになったり、幸せな気持ちになれるのなら、それはとても手軽な、心を上げる方法の一つではないでしょうか。
アーリー フィンチ■絵と配色とデザインと■
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