主に水彩画を描いています。
絵を描く上でとても重要なのが、光と影の表現です。
水彩画に限らず、絵はどんな画法でも立体感を出すためには、光と影の表現が必要です。
デジタルでイラストを描くこともありますが、立体感を出したくない絵では、色ベタで塗るなどし、光や影の表現をしなければ、立体感のないデザインチックなアート作品に仕上がります。
逆に考えると、光と影があれば、立体の表現がよりしやすく、リアルな絵が描きやすくなるとも言えます。
水彩画で、花や動物なども描いていますが、描いていて、私が1番楽しいのは人物です。
ただ、人の顔には凹凸があり、顔にどういう影が落ちるのか、と難しく感じることもあります。
そんな時に、ヒントになればと思いまとめてみました。
光と影とは?
水彩画の題材(モチーフ)は実物を見て描く場合も、写真に撮って描く場合も光と影を気にしています。
光と影とは、簡単にいうと、明るい(白い)部分と、暗い(黒いor濃い)部分のことです。
明るい部分と暗い部分があるということは、光の差している方向があるということです。
なんとなく適当に影を入れてしまうと、光の方向と影のできる場所がちぐはぐになって、絵に違和感が出てしまいます。
明るさ暗さの順番を見極める
私が絵を描く時に、注目するのは、どこが1番明るい(白い)か、どこが1番暗い(黒いor濃い)かというところです。
上の写真は、人物の右側から光を当てた時の影のできかたです。
水彩画では、一番明るい白い部分は色を塗らず、紙の白を活かします。
上のカラー写真では、右の白目の部分、シャツの白い部分、背景のカーテンの光が当たっている部分などが、ぱっと見、白く見えます。
逆に暗い部分は髪の毛や黒目の部分だと思います。
白と黒しかない場合は分かりやすいのですが、肌や髪の毛、目など色みがある部分では、一体どっちがより明るいのか、暗いのかと、分かりにくい時もあります。
その時は、右の様にモノクロコピーを取ってみるのも1つの方法です。
白黒にすることで、濃淡がより見やすくなります。
白い部分は、先程書いたように、水彩紙の白になります。
上の写真の場合、右の光に近い白目部分です。
ただ、よく見ると、白目の中にも白い部分とうっすらグレーになっている部分とがあります。
では、その白目の中のグレー部分とシャツの白い部分はどちらが暗いのか…というふうに、色の濃さを比べつつ塗っていきます。
顔の部分や髪の毛の部分も、どこが明るいのか、暗いのかと比べながら濃淡をつけていきます。
顔に落ちた影の暗い部分と、髪の毛の明るい部分はどちらが暗いのか、、、というような感じです。
そんなふうに、全体を見ながら少しずつ濃くしていきます。
1ヶ所ばかりを見て塗っていると、いざそこよりも暗い部分があった時に、それ以上濃くできず、表現できなくなってしまう場合があるからです。
描きやすい光の当たり方
光と影があるから絵が描きやすくなると書きましたが、では、どういう光がより描きやすいのでしょうか。
人物の場合、光の当たり方でも効果が違ってきます。
いろいろな方向から光を当ててみて、自分のイメージに近いものを探っていければと思います。
【前からの光】
前から光を当てると、影が飛んでしまい、立体感があまり感じられなくなります。
証明写真のようになりました。
【横からの光】
真横から光を当てると、鼻の部分で光と影がくっきりと別れたような影が落ちます。
【斜め前からの光】
斜め前から光を当てると、顔も暗くならず、まんべんなく影が入った感じになります。
【下からの光】
刷り込みでしょうか…どうしてもホラーの様に見えてしまいます、、、。
【後ろからの光】
影が顔全体にかかり、ぼんやりした雰囲気になります。
【斜め上からの光】
個人的にはこのくらい、しっかり影が入っている方が描きやすいです。
まとめ
比べてみると、光の当たり方ひとつでも、雰囲気が違ってきます。
個人的には、斜め方向からの光が描きやすいように感じます。
ただ、その他の光の当たり方もそれぞれに雰囲気が違い面白異表現ができそうです。
正解はないと思いますので、自分のイメージに合わせて、使い分けていければと思います。
まさに、光と影を上手く描ければ、いろいろな表現ができるのだと思います。
モチーフの面白さも重要ですが、同じくらい光と影に注目し、絵を描いていければ、作品の幅も広がっていくと思います。
アーリー フィンチ■絵と配色とデザインと■
水彩画&デザイン&配色テクニック
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