配色の基本【簡単まとめ】



世界には、たくさんの色があふれています。


そのため、生活の中で、インテリアや小物、洋服など、ありとあらゆるものにカラーコーディネートが必要になってきます。


また、絵を描く時にも、配色は、絵の出来を左右する、とても重要なポイントです。


「配色」とは、2色以上の色を組合わせることをいいます。


配色は、昔からいろいろな人が研究、分類しているため、ややこしく、色彩の教科書では、いろいろな配色技法やその呼び名が載っています。


私は、グラフィックデザインやインテリアデザインなどを仕事で行ってきましたが、配色の名前や技法をなぞってカラーコーディネートをやっているわけではなく、感覚的な部分がほとんどです。

生活の中で、例えば、服などの色を合わせる場合も、感覚でやっている方がほとんどだと思います。


たかが配色ですが、「どう合わせたら良いか、まるで分からない」と、頭を悩ませている方も多いと思います。




配色に、正解、不正解はなく、良い、悪い、など一概に言えませんが、配色について、見て分かりやすいように、簡単にまとめてみました。



センスは人それぞれですし、勉強したから、素晴らしい配色ができるようになるわけではありませんが、なにか感覚的なきっかけがつかめると良いかなと思います。




トーンと色の考え方については、こちらもぜひ、ご覧ください。

色とトーンとは?【簡単まとめ】


色の分類について






色は簡単に考えると、色み(色相)でグループに分けることができます。

一般的な色相環(色の輪で色相を表現したもの)にPCCS(Practical Color Coordinate System日本色研配色体系)という24色のものがあります。

PCCSの色相環では、色は番号とアルファベットの色相記号と「赤」「黄みの赤」などの色相名で24色が決められています。


今回は、勉強ではなく、感覚で使えるようになるために、簡単にグループ分けをしています。


上の画像では、5つのグループで輪のかたちにしました。


簡単に説明すると、中心から3つ目の鮮やかな色の輪が、「純色」です。
純色とは「白や黒が混ざっていない、一番鮮やかな色」と認識してもらえればいいです。


この、純色に黒を混ぜると濃く深い色になります。

逆に、純色に白を混ぜると明るく、薄い色になります。

純色にグレー(白+黒)を混ぜると色はにごります。

薄いグレーを混ぜると、明るいグレイッシュな色になり、
濃いグレーを混ぜると、暗いグレイッシュな色になります。

グレイッシュとは灰みがかった色のことです。

白、黒、グレイには色みがないため、明るくなったり、暗くなったりはしますが、色みは変わりません。



例えば、黄色の純色に、白、黒、グレーが混ざっているだけのものは、明るく見えたり、暗く見えたり、にごって見えたりしますが、同じ「黄色の仲間」ということになります。




色相環を真っ直ぐにすると、こんな感じになります。






横方向は、純色に混ざっている、「白、黒、グレーの量が同じ」ということです。

横方向のグループが、「同じトーンのグループ」で、
縦方向のグループが、「同じ色み(色相)のグループ」ということになります。




まとまりやすい配色


配色を考える時に、どういうイメージを作りたいかで、配色のやり方が違ってきますが、まずはまとまりやすい配色を見ていきたいと思います。

服のコーディネートという目線でも、絵を塗る時の配色という目線でも、どちらでも分かりやすく感じてもらうために、女性のイラストにしてみました。

同じトーンのグループから選ぶ配色



●同一トーン配色
●ドミナントトーン配色
などと呼ばれます。



「同じトーン」なので先程の色相環を真っ直ぐにした横のグループから色を選びます。

トーンが同じなので、調和します。


分かりやすくすべて、「青」「赤」「緑」を使っています。




簡単に言えば、パステル調のトーンのところに、いきなり焦げ茶色を置いたりすると違和感を感じてしまうというような感覚です。


だからといって、それが不正解ということでもありません。



カラーコーディネートは、もっと自由で奥が深く、とても感覚的なものだと思っています。

急に入れる強調色(アクセントカラー)や色を分断するセパレーションカラーなどいろいろな技法があり、ここだけで、すべてを説明することはできません。



同じ色みのグループから選ぶ配色


●同一色相配色
●ドミナントカラー配色
などと呼ばれます。



同じ色の濃い、薄い色を使うので、一番分かりやすく、つくりやすい配色かもしれません。



実は、私はちょっと苦手に感じてしまう配色です。
同系色の色の組み合わせは、なぜかあまり好きではありません。

本当に感覚的ですが、実際、色の好き嫌いは、特に確固たる理由があるというより、感覚的なものが多いのではないかなと思います。



結局、配色は個人の好みですね… と言ってしまえば身もフタもありませんが…



トーンも色みも近いものから選ぶ配色


●同一色相同一トーン配色
●カマイユ配色
●フォカマイユ配色
などと呼ばれます。




色みだけでなく、トーンも似たものから選ぶ配色です。
色があまり入っていないように感じるので、統一感が出ます。

トーンが近いので、落ち着いた感じになります。
色によっては、ぼやけた印象にもなります。


ここに、ぽんと強調するアクセントカラーを1色入れたり、自由な発想をプラスするとまた違った雰囲気をつくることができます。


秩序による配色


色相環から秩序立てて選ばれた色は調和するといわれています。


実は、配色の技法(テクニック)はきちっと決められた「ルール」のようなものがあります。
例えば、同一色相配色は、色相差が0、隣接色相配色は、色相差が1、
隣接類似トーン配色だと、色相差が1で隣り合うトーンの配色…など、

色相とトーンのグループを組み合わせたら、いろいろな配色が可能になります。


ここでは、簡単に感覚的に説明していきたいと思います。


2色での配色


●補色色相配色
●ダイアード
などと呼ばれます。

色相環の向かい合った色どうしを「補色」といいます。
補色同士の色は、お互いを引き立たせる効果があります。



補色関係の配色を見てみると、よく見かけるコーディネートも多いのではないでしょうか。

色数が少ないので、組み合わせやすいのと、コントラストもつけやすい配色です。



分裂補色配色


●分裂補色配色
●スプリットコンプリメンタリー
などと呼ばれます。

補色配色の変形とでもいいましょうか。

絵を描く時や服選びでこんな選び方はわざわざしないとは思いますが、補色の近くの色も調和すると思えば、ややこしく考えなくてもいいかもしれません。



3色配色



●3色配色
●トライアド
と呼ばれます。


色相環上で三方形の角にくるように選んだ3色の配色です。

よく、色数は3色までが良いとは聞きますが、絵を描いているとそうも言っていられません…。


4色配色


●4色配色
●ヘクサード
などと呼ばれます。

色相環上で正方形の角にくるように選んだ4色の配色です。

向かい合う2色ずつが補色の関係になっています。


5色配色


●5色配色
●ペンタード
などと呼ばれます。

色相環上で五角形の角にくるように選んだ5色の配色です。

もしくは、3色配色に白と黒を組み合わせる場合もあります。


6色配色





●6色配色
●ヘクサード
などと呼ばれます。

色相環上で六角形の角にくるように選んだ6色の配色です。

もしくは、4色配色に白と黒を組み合わせる場合もあります。


まとめ


いかがでしたでしょうか?

ここで、配色技法や感覚のすべてを説明できませんが、テクニックを頭に入れるというよりは、イラストの配色を見て、好き、嫌いなど感覚的な何かがつかめたらと思います。


配色の勉強をするほどに、合わせたらダメな色はないのでは?と思ってしまいます。


流行やマイブームでも感覚は変わり、好きになったり嫌いになったり、おしゃれだと感じたり、その逆だったり…

配色は、とても流動的なものだと思います。


難しく考えずに、冒険を楽しむくらいの感覚で、好きと思える配色ができたらいいですね。




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