水彩画で紙をシワシワにしないために【簡単図解*水張りのやり方】



先日、水彩画を始めようかと思っている方に、「そもそも何のために水張りをするの?」と聞かれました。


紙は水を含むと、伸びて波打ち、乾く時に縮みます。
そのまま乾かすと、波打ったままで乾き、シワシワになります。

透明水彩画では、水をたくさん使います。
せっかく一生懸命に描いても、仕上がりがシワシワだと見栄えがよくありません。

また、描いている途中に紙が波打つと、絵の具がシワがよったところにたまって、描きづらいです。


水張りは、紙が水を含んで伸びる、乾くと縮む性質を利用します。
水を含んで伸びた状態で板に固定すると、そのまま縮むので、紙がピンと張ります。

考えた昔の人はすごいですね。


水張りは、面倒だという方もいますが、何枚かを一気にやっておくと便利です。


手順としては、


①【水で板に紙を貼る】

②【絵を描く】

③【板から絵を描いた紙をはがす】

④【板に残ったテープをはがす】

①にもどる


この繰り返しです。
私は、水張りも、残ったテープをはがす作業も割と好きです。
時間がない時は、面倒に感じますが、楽しんでやると水遊びのようで面白いです。


ブロック紙という12枚くらいの水彩紙の四隅が固められている便利なものあるのですが、
水をたくさん使うと、浮いたりはがれてきたりすることもあります。

水をたくさん使わない時は、ブロック紙でいいと思いますが、紙代は少し割高になります。



水張りは、いろいろなやり方がありますが、刷毛を使う私のやり方を紹介します。

刷毛ではなく、霧吹きを使う方法も習いましたが、これは水が飛び散るのでやめました。

バットや流しにそのまま紙をつけるという方法もあり、私も学校ではそう習いましたが、
紙の表面に水を付けることに抵抗があり(痛みそうな気がする)結局、今の形になりました。



水張りの材料





水張りの材料は、これだけです。

水を引いた時の待ち時間を無駄にしないために、2〜4枚くらい一気に貼る時もあります。


●板 

画材店に専用のものが売っています。
私は、DIY店でシナベニアの板を買い、お店で切ってもらいました。
DIY店で板を買う場合、厚み3mmは、紙のほうが強く、板が反ってしまいましたので、4.5mm以上がよいかもしれません。


●水彩紙
いろいろな種類があります。
紙は薄くても厚くても水張りできます。


●水張りテープ

画材店にあります。黒や緑などいろいろありますが、紙と同じ色の白をオススメします。


●ビニールクロス

100円ショップのビニールクロスを使っています。
水がたれるので、板より大きいものが良いです。


●ハケ

横広のものを100円ショップで買いました。


●水を入れる容器

ハケが入る大きさなら何でもいいです。


●はさみ

水張りテープを切ります。
紙のテープなのでカッターでも手でも切れます。

水張りの手順



道具を配置


床にビニールクロスを広げ、道具を並べます。





刷毛で水を塗る


ハケに水をつけ、水彩紙の裏面全体に、水を塗っていきます。

水彩紙はボコボコしている方が、オモテです。
ウラはオモテより若干なだらかな面です。

水をつけるのは、ウラ面です。






四隅のカドもていねいに塗ります。

横から見たりして、塗ってない部分がないようにします。

紙の上に水が余っているくらい、ベチャベチャに塗っていいです。







水張りテープを切る


水彩紙が伸びるのを待つ間、1辺+4cmくらいの長さになるように水張りテープを4本切っておきます。

テープはウラにのりが付いています。
水が付くとくっついてしまうので、水が飛ばない場所に置きます。

湿気でもくっついて、使い物にならなくなるので、使い終わったら、ビニール袋などで保管します。





引き続き紙に水を塗る

テープを切っている間に、紙がだいぶよれてきました。

紙の表面が乾かないように、何度か水を塗り足しながら、
水の塗り始めから、15分~30分程度経ったら、次の工程に進みます。





水をつけた面を板に貼る

紙を表に返して、水を塗った面を下にして、板の中央あたりに置きます。

紙がよれて、気泡が入った場合は、きれいなタオルなどで上から軽く押さえます。
こすると紙がはげてしまいますので、軽くぽんぽんと押す程度にします。






水張りテープののりが付いた面に水をつける


テープののりが付いた面を上にして、テープの端を片手で持ち、ハケで水をつけます。

ハケを持った方の手は床に置いたままで、テープの方を上に引っ張ると、やりやすいです。




水張りテープを貼る


紙と板がとまるように、長い辺から先に、水張りテープを貼ります。

なるべく、描ける面を広く取りたいので、紙にかかる幅は1cmくらいにしています。




反対側の長辺を貼り、続けて短辺を貼っていきます。



乾かしたらできあがり


4辺をすべて貼ったら、風通しの良い場所で、横にしたまま乾かしたら出来上がりです。

乾きが悪いと、下書きのとき、紙がけずれたり、鉛筆の形が残ったりして汚くなります。


水張りはシワがよったりして難しいと言われる方もいますが、だんだん慣れてきますし、
少々シワがよっても貼らないよりは確実に描きやすいです。


最初から完璧でなくても良いという気持ちで、気楽に考えると苦になりません。



【おまけ】

出来上がった絵はカッターなどで切れ目を入れてはがします。

板に残ったテープは、手で大まかにはがしたあと、上からハケで水を付けて、少し待ってから、ヘラなどではがすときれいにはげます。

私は、ステンレス定規を使っています。
このはがす作業は楽しくて、好きです。




画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: efrogo.png

アーリー フィンチ■絵と配色とデザインと■
水彩画&デザイン&配色テクニック
〜心を上げながら絵と配色とデザインが学べるサイト〜

>アーリーフィンチは早起き小鳥

アーリーフィンチは早起き小鳥

〜絵と配色とデザインと〜

CTR IMG