水彩画を描くときに、下書きを何度も書き直して、鉛筆で紙が黒く汚れてしまったり、紙が毛羽立ってしまい、色を塗ってもきれいに仕上がらなかったり…。
という経験はありませんか?
私は、下書きが上手くいかず悩むことが多く、途中まで描いていても気に入らず、全部消して最初から書き直すということも多々あります。
透明水彩は厚塗りをしないので、紙が傷んでしまうと、仕上がりにも影響してしまいます。
消しゴムをよく使う方やなるべく紙の表面が傷まないように下書きをしたい方はお試しください。
水彩紙に直接下書きをしない
水彩画の下書きは鉛筆でします。
普通は水彩紙に書きますが、直接書かずに、まずコピー用紙など、別の紙に下絵を書きます。
画用紙などの厚い紙よりもコピー用紙などの薄い紙がいいです。
トレーシングペーパーでも構いませんが、コピー用紙のほうが安価なので、私はA3のコピー用紙を使っています。
下書きを別紙にするメリットとデメリット
別紙に下書きをするメリットは、
①何度でも書き直せる
直接水彩紙に書かないので、紙が痛むことを気にせず、何度でも描き直すことができます。
②位置をずらせる。
配置が気に入らない場合、水彩紙に写す時に、位置を変えることができます。
③大きさを変えられる。
部分ごとに大きくしたい時や、小さくしたい時に、切り取ってコピーを取ることで、拡大、縮小ができます。
修正の融通が利くので、構図を自分の好きなように何度も突き詰めて考えることができます。
塗る時に失敗して書き直す時など、同じ絵を描く時などにも何回も使えます。
また、下書きだけして、ストックしておくこともできます。
デメリットは、実際書いてみると分かりますが、直接描いた時の線の強さや迫力が、転写した時に弱く感じるということと、転写に一手間かかるので、少し面倒なところです。
下書きを転写する準備
下書きができたら、水彩紙に転写するための準備をします。
まず、下書きの裏をBか2Bくらいの濃い鉛筆で塗ります。
全体を塗る必要はないので、線の裏側だけ塗ります。
薄い鉛筆だと線がうまく写らないので、濃い鉛筆のほうが良いです。
大きい絵の場合、塗るのが大変なので、ティッシュでこすって伸ばすか、下に書いたチャコペーパーを使う方法もあります。
水彩紙に写す
水彩紙の上に下絵を置き、良い位置でマスキングテープで留めます。
セロハンテープは粘着力が強く、はがす時に水彩紙が破ける時があるので、粘着力の弱いテープを使うか、紙を継ぎ足して、枠外にテープがくるように貼ります。
貼りつけたら、下絵の線を鉛筆やボールペンなどでなぞっていきます。
あまり強くなぞってしまうと、線が溝のようになり、絵の具がきれいに広がらなくなります。
弱くなぞると写らないので、めくって確認しながら、適度な筆圧で写します。
下絵を写したあとも、そのまま下絵を同じ位置に貼りつけておくと、途中で線が消えてしまった時に書き足せるので便利です。
チャコペーパーを使う場合
裏を塗るのが面倒な時は、チャコペーパーもあります。
写した青い線は、色を塗る時に水で消えます。
水を全体に伸ばす様な描き方の場合、線は消えてしまいますので、その都度書き足すか、消したくない線は鉛筆で薄くなぞっておいたほうが良いです。
チャコペーパーのウラとオモテを間違えずに、水彩紙と下絵の間にはさみ、上から鉛筆などでなぞっていきます。
なぞった線はこんな感じです。↓
私は、ここからもう少し細かく下書きを書き込みます。
絵の具を塗っている途中で、線が見えにくくなった時は、書き足します。
完成
まとめ
直接水彩紙に下書きをすることもありますが、別紙に書く場合、私は、A3コピー用紙を使い、ウラを鉛筆で塗って転写します。
チャコペーパーは大きな絵や下書きを大まかに書いた時など、大体の位置のアタリを取る場合に使います。
そのあと、細かい部分を鉛筆で書き足し、下絵を仕上げていきます。
正解はないと思いますので、自分に合ったやり方で、だんだん改良していけたら良いなと思います。
アーリー フィンチ■絵と配色とデザインと■
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